「天草パールラインマラソン」です。
たった10キロですが、生まれて初めてのマラソン大会。大嫌いだったはずのマラソン大会。まさか自分が出るとは。
3月8日。6時半起床。受付時間が9時半までなので、7時半に出れば何とかなるかなという計算。ところが出たあと、走ったあとのお疲れ会に出す予定のシャンパンを忘れたことに気づき、取りに戻る。
これから初レースという奴が酒取りに帰ってどうすると、ちょっと反省。
結局天草の会場着は9時半ぎりぎり。みんながウオームアップなどしている横をあわてて受付場所まで走ったりして、「いやあ疲れた、もう走れない」などと思ったりする。ダメダメである。
そしてついにスタート。号砲一発。わらわらとみんながスタートする最後方からなんとなくついて行く。
照れくさいのである。スタート地点のまわりでは地元の人たちが一杯いて拍手してくれたりしている。もうなんだかすごく恥ずかしい。回れ右して返りたくなるのを必死でこらえて何となく走る。
100メートルほど歩くように走って、ふと気づく。そう、ちゃんと走らないととダメじゃん。慌ててペースを取り戻す。
実を言うと何やかやと忙しくて、この2週間で2回しか走れなかった。おまけにどちらもジムのランニングマシンである。結局外で走ったのは以前このブログでも書いた一ヶ月ほど前の一度切り。
11月から初めて走り始めて、そのうち外で走ったのはただの一度きりで初レースである。
案の定、走り始めて割とすぐ、右膝に軽い違和感が起きた。
(やばいなあ、ひどくならなきゃいいけど)と思いつつもペースを落とさず走る。すると幸いなことにそれ以上右膝の違和感は進まなかった。
そしてジムと違って顔をなでる冷たい風が心地いい。沿道では沢山の人が手を振ってくれる。葬儀場の前では、葬儀に参列している人たちがみんな手を振ってくれる。喪服で。
海を見ると漁船が大漁旗を掲げて応援してくれる。
最初は照れくさかったけれど、だんだん嬉しく気持ちよくなってくる。
初めて体験する登りのコースはきついけど応援で何とかなる気もする。
30分ほどで折り返し点。
「これが折り返し点かあ」というそれだけで感動してたりする。
折り返すとあとはなんだかとても早く感じる。
気がつくと「あと3キロ」のポスト。
「えっ、もう」などと思いながら時計を見る。
「これは…ひょっとしたら…」
いきなりペースを上げる。
グン、と上げる。
ちょっと疲れるたびに、金哲彦メソッドの「肩胛骨を引いて骨盤を意識、重心を低く」という基本を思い出す。すると不思議にその度に軽くなる。
そして見えてきたゴール。
飛び込んだあとも不思議と息が切れていなかった。
タイムは59分。
最初は目標だった、そして途中であきらめた10キロ1時間を思いがけず達成できたのだ。
10キロという距離を走ったのも初めてだし、平均10キロというスピードも初めて。
たった10キロの初レースだけど、結果はできすぎ。正直とても嬉しかったし、何よりゴールしたあとの爽快感といったらもう表現のしようがない。
あー、走って良かった。
そういうしかない爽やかさが脳を襲う。
次のレースを探したりして、すっかり人格が変わった気がする昨日今日。