2008年06月08日

人生の見つけ方っていわれても その2

さて、「最高の人生の見つけ方」の監督はロブ・ライナー。
80年代後半に「シュア・シング」「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」「ミザリー」と立て続けにスマッシュ・ヒットを飛ばしました。
現在も「ストーリー・オブ・ラブ」「迷い婚〜すべての迷える女性たちへ」と、ラブストーリーに軸足を据えてなかなかいい映画を撮っています。
センチメンタルだけどさほど甘ったるくならず、洒落た味のする作品を撮らせたらうまい人です。
おっと、こういうタイプの監督と言えばもう一人いましたね。前回登場した「愛と追憶の日々」のジェームズ・L・ブルックスです。そう言えばどちらもTV出身。だからってわけではないでしょうが、ブルックス映画では「凄くイヤなヤツだけど実はいい人」路線まっしぐらのニコルソンと組んでみました(ちなみに「ストーリー・オブ・ラブ」ではブルース・ウィルスと組んでいるので、こういうタイプをうまく使う自信があるのかもしれません)。
共演にはモーガン・フリーマン。こちらは「インテリだけどいい人」をやらせたら右に出るものはいません。
この組み合わせで期待するなという方が無理。

さて、映画はニコルソンとフリーマンのそれぞれの日常を簡単に描いて入院シーンに流れ込みます。この導入部はテンポも良く、端的に二人のキャラを紹介するあたりはさすがライナー職人技です。
なんですが、入院してから延々と病室のシーンが続いて息苦しくなってきます。後半のカタルシスのための計算だとは思うし、ヨーロッパ映画ならよくある演出法ですが、娯楽第一のハリウッドでは珍しい。話の展開もうまく流れないし、よく試写の段階でOK出たなと思ったら製作もライナー自身でした。最近製作と監督を兼ねるのって多くなったけど、やっぱり甘くなっちゃって裏目に出ることが多いと思う。
それに、大金持ちのニコルソンと、平凡な市民のフリーマンを同じ病室にするための仕掛けがこなれてなくって、どうにも話に乗りにくいのは否めません。一言で言えばご都合主義。
後半は、死ぬまでにやりたいことを次々にやっていくわけですが、末期のガン患者だからといってそんなに体力がないことはないという事実は割り引いても、この二人元気すぎるし。とにかく話がちぐはぐなのがどうにも目立つんです。ジャスティン・ザッカムという脚本家は、これ以外にフィルモグラフィーがないのでよくわかりませんが、あまり評価できる本ではないと思います。
最後にちょっとしたどんでん返し(というほどでもないけれど)が用意されていますが、果たして必要があったのかというと……。

結局「最高の人生の見つけ方」という割には(原題は「棺桶リスト」)、どうにも冗漫な印象なんですな。
金に飽かせていろんな夢を実現するというのは、まあ、おとぎ話で、その先にあるものをつかんでいく、という展開のはずなんですが、金に飽かせるシーンがこれまたえらく長くて(予算かかったところって、切りにくいんだよな。だから監督と製作を兼ねるのは……(略))、肝心の次のステップがばたばた片付けられちゃってる。
これだと「結局金じゃん、最高の人生ってさ」なんて誤解されかねない映画になってる気もするんですが。

ただ、二人の演技は十分に見る価値はありますし、ニコルソンの秘書役のショーン・ヘイズが拾いものです。これからの有望株かも。




posted by 紅灯 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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