その名は「リッテンハウス23年シングルバレルライウイスキー」。
詳しい説明はこちらを見ていただくとして、要するにライウイスキーの23年ものです。
「ライウイスキー」と「23年」。
並べてみてもピンと来ません。
「日本酒」と「古酒」というくらいピンと来ない。
バーボンですら20年以上なんて冗談のようなものなのに、ましてライ。
なんだかこれだけでもう、心を込めてライウイスキーを大切に扱ってる人たちがいるんだなあ、という気がしませんか。
でもって、ちゃんと日本酒にも古酒があり、それが大変にとぎすまされているように、この23年のリッテンハウスも見事なお酒でした。
なんと言ってもその香り。鼻をグラスに近づけると、立ち上ってくるのはまるでマールかブランデー。甘く華やかな香りです。しばらく香りだけかいで満足。でもやっぱり酒なので、グラスを傾け口に含むと、おおっとびっくり。いきなり目が覚めました。口中にはがつんとライウィスキーの味。当たり前です。当たり前ですが、あまりに華やかな香りと、洗練されてはいますが野趣あふれる味が脳のなかでうまく整理できない感じ。おもしろいです。ちょっとした初体験ですね、これは。
思いついて少し水で割ってみることにしました。「このバカモンがぁ!」という方、お許しを。だってやってみたかったんだもん。少し加水すると香りが甘やかになりそうじゃないですか。
でもさすがにそのまま水を入れるのはもったいないので、ちゃんとマスターは別のグラスと水をくれました。
で、ウィスキーと水を少量ずついれ、よく混ぜて、いただきます。
・・・・・・・。おお、予想どおりなんと甘やかな香り。これがウィスキーだろうか?
と、喜び勇んでくいっとグラスを傾けると。
おや。おやや。
さっきまでのあの重厚なライウィスキーの芳醇さはどこへやら。ほんの少し加水しただけなのに、実になんとも痩せた味になってしまいました。正直、美味しくない。
その後はストレートに戻ったのはいうまでもありませんが、うーむ、面白い酒だなあ。
よい子は余りまねしてはいけませんが(っていうかもったいないよな)、美味しく楽しいライウィスキー23年でございました。
ラベル:リッテンハウス23年
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