クラプトン、チック・コリア、ジェームス・ブラウン、P・マッカートニー、競演したミュージシャンを上げていけばきりがないんだけど、日本で最も有名なガッドのドラムソロといえば、これでしょう。
「恋人と別れる50の方法」サイモン&ガーファンクル。
ポール・サイモンがガッドに依頼したと言われるこのドラムソロ、一度聞いたら忘れることができません。Aメロの演奏はドラムのみという冒険が、結果的に少しも冒険になってない。いかにもガッドらしい(というかこの後本格化するガッドらしい)、シンプルきわまりないドラムソロなのに、めちゃめちゃグルーブがある。ドラムソロと言えば連打と思いこんでいた当時のミュージシャンを(プロアマ、そしてドラマーかどうかを問わず)愕然とさせたものです。
この後のガッドの活躍ぶりと言えばもう書き上げてもきりがないんだけど、とにかく引っ張りだこで「世界一忙しいドラマー」だとか、「スティーブ・ゴッド」だとか言われたりしました。
私もちょっと太鼓叩いたことがあったので、当然憧れました。ガッドに憧れないドラマーなんている?
んで、何で今更ガッドの話を延々としているかというと、来たんですよガッドが。日本に。それも西の果ての九州は熊本に。
信じられますか?熊本にいながらスティーブ・ガッド。
なんでそんなことになったかというと、このブログで以前書いたマリンバの吉田ミカさんが総合プロデュースをつとめる音楽祭「アイランド・マジック」が熊本市と天草で計三日間あって、吉田ミカさんとガッドは知己があったので、今回スペシャルゲストとして登場した、とこういうわけです。
ちなみに他のメンバーはベースがエディ・ゴメス。クラリネットがリチャード・ストルツマン。ゲスト・ボーカルに伊藤君子。アレンジを担当した大島ミチルもMCで登場。おいおいちょっといいのかよこれ、っていうくらい贅沢すぎ。文字通りアイランド・マジックです。
でもやっぱり私の目はあこがれの人、ガッドに釘付け。
普通に8ビート刻んでても何かが全然違うんだもん。もうガッドも御年63歳、そのシンプルさはもうわびさびの境地に達しています。でも今も引っ張りだこっていう理由はよくわかりました。昔、ガッドは主役を食ってしまうとよくいわれましたが、今は違います。実に良く他のメンバーを引き立て、ドレスアップしてやるんですな。なんというのか、そう、父親がおめかしした幼い息子のネクタイを直してやるかのように。ステージでストルツマンの息子がピアノを弾いてたんですが、「ああ彼は今ここでこんな音が欲しいと感じているんだろうな」と思った瞬間、思った通りの(またはそれ以上の)音でスネアやバスが一撃される。もうこれ一度経験したらそのミュージシャン病みつきですよ。これ以上ない音で欲求不満が昇華されるから、演奏者も聴衆もこれ以上ないカタルシスが味わえる。ドラムセッションのエクスタシーとしか表現できない。音と音が絡みあう快感は肉体のそれを遥かに凌駕することだってある。
私この日、いろいろ抱えて、本音はコンサートどころじゃなかったんですが、すべて忘れました。
それでいいのか?って思いますがね。
でも音楽ってそういうもの。
ラベル:スティーブ・ガッド
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