2008年03月18日

意外なメディアにまっとうな記事

水俣病の記事というのは、熊本ではどこかの新聞に載らない日はないんですが、一歩熊本を出ると読む機会がほとんどなくなります。
なので海外のメディアが「いまだに解決されない日本の水俣病」と取り上げたりすると、「え、なにそれ」みたいな反応が返ってくるわけです。ほとんど国辱モノ。

というわけでかどうかは分かりませんが、意外なメディアに水俣病の記事が載りました。
http://www.mil-box.com/
これ、「防衛ホーム」っていう自衛隊の新聞です。
3月15日号(月二回発行らしい)に載ってるこの記事。
http://www.mil-box.com/news/2008/20080315_3.html
自衛隊そのものが出している新聞ではなく、「防衛ホーム新聞社」という新聞社が出しているいわゆる業界紙です。
だれでも購読は出来ますが、事実上の購読対象は自衛隊員とその家族。
全国どこの駐屯地でも読めます。

水俣病の記事はいわゆる論評記事で、普通の記事とはちょっと違いますが、「整備エラー調査分析講習を開催《空自1術校》」、「隊内生活体験を支援 海田市 民間11人、基本教練など学ぶ」、「43連隊で体力検定」などという記事の中にまじって「まだ解決していない水俣病 被害者の無念いかばかりか」という見出しがあるのはかなり目立ちます。タイトルも「論陣」だし。

記事を読んでみると、これが実にまっとうです。
「(水俣病は)巨大企業・自治体・国の利益・生産第一主義が生み出した結果でもある。熊本県の水俣市で確認されたのが、56年のことである。今から50年前である。犯人企業は現在のチッソ株式会社と特定されている。
 2004年に最高裁が国・熊本県にも責任がある、との当然の判断を示している。それにしてもひどすぎる。事件発覚から48年も経っている。被害者救済を放置していたことになる。責任を認めようとしなかった政府の対応から、環境・公害・命を軽視する行政の価値観を伺うことができようか。」

最初の一文の主語を別の言葉に置き換えるとなんだか2・26事件の檄文を連想してしまいますが、それはともかくチッソを「犯人企業」なんて呼ぶところはさすが自衛隊の新聞という感じがステキです。他の新聞にはできません。
しかし「環境・公害・命を軽視する行政の価値観」なんていっちゃって大丈夫なんでしょうか。自衛隊だって行政の一翼なんだし。
もちろんこの新聞はあくまで民間の新聞ですので、独自の社説があって当然ですが、やっぱりこうストレートに書かれるとほお、と思います。
「国民の生命を守る」ことを旨とする行政機関として、やはりこれは捨て置けぬという精神の発露、なのかもしれません。

かつて水俣病闘争は、左翼闘争の先鋭扱いされたこともあったりしました。
警察は、チッソへの刑事告発を受理する一方、警備(公安)部は患者や支援者を徹底してマークしました。
水俣市駐在の各マスコミの支局の電話が警察に盗聴されていたという噂もささやかれたことがあります。
それがいまや自衛隊員や家族が読む新聞に、患者を救済しようという社説が載る時代。

変わらないのは、日本政府だけ、ということですか。



ラベル:自衛隊 水俣病
posted by 紅灯 at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 水俣病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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