2008年02月11日

くさみのない役者

以前お知らせした沖島勲監督の最新作「一万年、後・・・・。」の上映会&トークライブが無事終わりました。
心配した収支もなんとか黒字に終わり、めでたしであります。
沖島さんの体調もはじめは心配事の一つでしたが、むしろ大学で教えていた頃より元気になった感もあります。まあ、監督自身を投影した映画の主人公が糖尿病で死んだという設定なので、周囲が余計心配したところが大きいんですが(「新作は遺書じゃないか」なんて声が上がったりして)。
上映会の後は、某アングラ飲み屋で打ち上げ。沖島さんの教え子もわらわらやってきて、一時は20人くらいしか入らない店に20代から70代まで30人以上がおしくらする大盛況ぶりでした。

トークライブも楽しかったのですが、やはり酒が入ると熱の入り方が違います。
沖島さん酒好きだし。淡々と語っていた会場でのトークとは違い、切れ味鋭い毒舌ジョークを交えつつの宴会話は迫力がありました。
予算の問題から始まって、劣悪なスタジオ環境や映倫の問題。かと思えば、予算がある程度企業から潤沢に出ているフランス映画はなぜ凋落したのか、なんてダイナミックに話題が続いて飽きません。
隣では「映画芸術」副編集長で、トークライブの司会を務めた野田恭子さんが、いろんな意味で豪快に話を転がします。

あまりマニアックな話をしてもしょうがないので、印象にの追った話を少しだけ。
主演に、阿藤快を起用した理由が面白かったですね。
この映画はほとんど阿藤快と子役二人のかけあいで、要するに大人の俳優は事実上阿藤快一人(怪物役はいるけど。あと、回想(のような)シーンに洞口依子)。当然演技力が高いレベルで要求されるんですが、それがあんまり役者っぽいと、一人なだけにだめだというんです、沖島監督は。
「大杉漣とか、ああいう役者はうまいし出てくれそうなんだけど(←ここ笑うポイントなんでしょうか)、役者のくさみが出ちゃうんだよな。その点、阿藤はそういうくさみがない。こりゃ貴重だよ。役者っぽいくさみのない役者。だから阿藤に頼んだんだ」
子役にはびっしり演技を指導した監督ですが、阿藤快にはまったく注文を出さなかったそうです。
「その必要ないもん。頭いいしね、彼は」
大変満足げに語っておられました。

次回作は、どこまで本気でなのかわかりませんが、「カラマーゾフの兄弟」の続編を撮りたい話していました。ただ、最近売れている光文社の新訳は「ありゃだめだね」ということであります。
「何でもわかりやすけりゃいいってもんでもないでしょう」

けだし名言でありました。




posted by 紅灯 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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