2008年01月30日

なんだそういうことだったのか

いい時代になったもので、渡辺香津美のライブがタダで聴けると聞いて出かけてきました。
場所は熊本市現代美術館。
伝説の人形師・松本喜三郎の「生人形展」をやって大成功を収めた上に画壇にケンカふっかけたり(タイトルが「反近代の逆襲」だよ)、セルフポートレートの森村泰昌の展示を大々的にやって画壇にケンカふっかけたり(タイトルが「静聴せよ」だよ)、まあとにかくオーナーの熊本市もここまでやってくれるとは思っていなかったに違いない異様極まる盛り上げぶりを見せてくれた南嶌宏さんが館長を務めている、知る人ぞ知る現代美術館です。
現代美術がちょっとしたブームということですが、東京都現代美術館の長谷川祐子キュレーターをNHKの「仕事の流儀・プロフェッショナル」が取り上げても、こちらを取り上げることはないでしょう。危なすぎ。やけどじゃすまない。

という具合に毀誉褒貶が激しすぎる南嶌さんですが、まもなく任期が終わるせいなのか生来のものなのか、渡辺香津美がタダとは太っ腹です。

天才ギタリストがタダで拝めるとあって(しつこいね私も)、ライブ会場となるスペースは大入り満員。たいした宣伝もしてなかったはずなのに、300人はいたでしょうか。開演15分前にのんびり行った私は当然立ち見。
(ちょっと多くない?)
少し不思議な気分です。いえ、渡辺香津美のギターならこれくらい客は呼べますが、客層がなんか変。変というか幅広い。ジャズギターってお子様から高齢者までこんなに広いものだっけ。団塊の世代もそろそろ高齢者の仲間入りだからまあ‥‥などと思いつつ、入り口で渡されたパンフに目を落としてちょっと納得しました。

(そうだこのライブ、渡辺香津美のソロじゃなかったんだ‥‥)。
谷川公子という、私は知らないピアニストとのユニットでありました。
プロフィールには「80年代初頭における環境問題への関心から、自然をテーマとした作風を確立した。そのオリジナリティ溢れる作・編曲は美しいメロディラインと透明感のあるアンサンブルで定評がある」とあります。
ほかのところも読むと、どうも「ヒーリング」とか「ネイチャー」とかそっちの方面が得意そうな方のようで、そっちの方面が得意でない私としてはちょっと弱気になりましたが、ま、タダだし、ということで開演。

人をかき分けるようにお二人が素朴にしつらえられたステージに着き、谷川公子さんのmcが始まりました。
それによりますと要するに二人のユニットで「Castle In The Air」というCDを作り、現在各地で公演中と言うことであります。
1曲目はそのタイトル曲。ほとんどサティのピアノが続き、お待ちかねの渡辺香津美のギターが‥ギターが‥??シンセ?
いや冗談じゃなく、ものすごいエフェクトのおかげでシンセサイザーの演奏が始まったのかと思いました。
ずっとこれだったらつらいなあ、どうしようかなあ、でもタダだしと思っていると、2曲目からはまあ普通の演奏でありました。

率直に言ってメロディラインはえらく単調で、エモーショナルで、わかりやすい。
なんだか月9ドラマのサントラみたい。
そういう仕事をしてる人なのかなあこの谷川という人はなどと思っていると、忘れた頃に渡辺香津美の超絶ギターのオカズが入ったりして我に返ったりします。
曲前のmcで、谷川さんが「この曲はガンジス川(だったかな)の流れと、ほとりで戯れる動物を表しています。ギターが動物を表現します」とか説明して演奏に入ろうとすると、渡辺香津美が「きょうはなんの動物やる?」とか聞いてたので、ギターパートは基本的にアドリブなんでしょうか。

それにしても、「私の作曲法は夢で受けた強烈なインスピレーションをメロディに移し替えて、この曲もそうして生まれて‥‥」みたいな谷川公子さんの説明mcに少々閉口。
会場をみると、パンフのヒーリングミュージックみたいなのを期待してきた人たちと、渡辺香津美見たさで来た人とはっきり反応が分かれて、そのあたりはちょっとおもしろかったでございます。

1時間のライブが終わって(タダなので短い)、「渡辺香津美のギターはあいかわらずカックいいけど、あのピアノがなあ、ちょっとべたっとした感じで好みじゃないなあ」などと、タダなのに罰当たりな感想を抱いてしまいました。
おまけに、「なんでこのユニット組んだんだ、渡辺香津美」などと思うにいたっては、タダで見せてもらってどこまでつけあがるんだこの野郎余計なお世話だ黙ってろと言うものです。

で、そのあたりに詳しそうな、というかちゃんとした渡辺香津美ファンに訊いてみました。

「え、あの二人、夫婦だよ。紅灯さん知らなかった?」

百聞は一見にしかず(?)、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥(?)の巻でありました。

お後がよろしいようで。



ラベル:渡辺香津美
posted by 紅灯 at 01:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
いやいや、思った事ははっきり言った方が良いんですよ。
まあ、あの谷川というピアニストはつまらないし、渡辺氏もそれにつれてつまらなくなって来た。
やはり一緒に音楽をやっていると、山と谷がならされてきて、同じ高さになってしまうものなんです。
Posted by イルボンサラミ at 2008年11月26日 23:27
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