2007年12月30日

オールナイト・ニッポンの時代

ずいぶんと久しぶりに帰省しました。
故郷に帰る電車の中で、ipodに貯めこんでおいた「中島みゆきのオールナイトニッポン・お別れの手紙集」を聞きました。

いやあの、そういうのがあるんです。
一から説明しますと、まず中島みゆきさんは1979年から84年までオールナイトニッポンのDJ(当時はパーソナリティっていった)をやってまして、その曲とは180度違う突き抜けた明るさで、「恐怖のカラカラ笑い」などとも呼ばれておりました。とにかく全編爆笑ものだったのですが、番組の最後に読む手紙はしんみりとしたものが多く、印象に残ったものでした。
で、それから四半世紀がたち、私は見つけたのです。
ニコニコ動画に、この中島みゆきのオールナイトニッポンの、それも「お別れの手紙」ばかり丁寧に編集してアップしている「神」を。
全4巻 。全部聞くと3時間以上かかるのかな。
早速ダウンロードして、帰省の列車の中で聞きました。

何気ない日常の話。投稿者は10代後半から20代。あのころの私と同じ。

高校を卒業した女の子が、最近は誕生日はいやだなあ、年とるのいやだなあ、と思っていたのに、卒業して別れた友達や職場の先輩から「誕生日おめでとう」って言われて自分がびっくりするくらいうれしかったという話。

女の子に振られた腹いせに、別の女の子と付き合ってそのあとその子を電話で振ったら、とてつもない自己嫌悪に襲われて「もう僕は二度と女と付き合わない」「僕に幸せになる資格なんかない」と泣きながら手紙を書いてきた男の子。

母親代わりだった姉が結婚することになり、「今度からは自分がお父さんやおじいさんやおばあさんの面倒を見なければいけないと思うんだ」「『短大に行きたい』なんて言っちゃいけないよね、『明日から俺がご飯作るからな』って笑って言ってくれるお父さんに『短大に行きたい』なんて言えないよね」と書いた高校2年の女の子。

中学でやんちゃやってた男の子。高校に行かず働き出して2年。クラス会やらないのかなあって思っていたら、実は2年とも彼にだけ誰も連絡をしなかったことを知り、涙が止まらないと書いてきた17歳。「不良だったかもしれないけど、クラスではけんかもしたことなかったし、嫌がることもしなかった、迷惑かかると思ってあまり話もしなかった。それなのに、俺はだめなのか?」。

不覚にも鼻の奥がツーンとしてきました。車窓の景色が滲んで見えたりして。
たぶんそれは、話の内容そのものよりも、漠然とした不安に包まれていたあの頃が私の前によみがえってきたからなのかもしれないと思いました。
あの頃の私。馬鹿のくせにひたすら生意気だった私。あの頃の私は何に怯えていたのか。
肩を寄せ合うように、お互いの体温を確かめ合うように深夜ラジオに手紙を寄せていたあの頃の男の子や女の子も、いま、こうしてふるさとへ向かっているのだろうか。お土産を持って。

そう思いながら、駅のホームを踏みました。

皆様、良いお年を。


posted by 紅灯 at 15:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして―。
本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
もし次回も某執筆イベントでご一緒になるようでしたら、三年連続同グループということでお手柔らかにお願いいたします。

ぼくはオールナイトの世代ではないので、むしろ伝説と化しているオールナイトがどんな番組だったのか、全くわからないのがざんねんなのですね。
しかしぼくも、90年代のFM番組のほうは熱心に聴いており、そちらはときどきテープに録っていました。
カセットはテープ(の磁気情報)もデッキもこのままではなくなってしまいそう―とある瞬間に感じたため、今のうちに録り留めたものをMP3ファイルにしておこうと決心し―ヒマなときに作業を行って半年ほどかかり、ちょっと前にようやくすべて終わったところでした(マニアぶりがばれてしまう…(汗))。さすがに、ぼくの手元においてあるだけなのですが。

そちらでも、最終曲の前のハガキは日常の中で聴取者が感じたことなどを紹介するものだったため、だいたいどんな感じなのかはわかります。
ひととひととのつながりなどや、四季の移ろいのこと、返還間際の香港のことなど。当時のぼくは他のコーナーのように、ふつうにおもしろくしてほしいかなと思っていたのですが、やはり締めがないと単なるふつうの番組になってしまっていましたね。
大部分は読み上げられるくらいで特にコメントを口にしてはいませんでしたが、それであっても毎回そのようなハガキが多数寄せられる―。そんなところにも、ひととその心をひきつける才能が感じられます。

と、このような真面目なページに似つかわしくないほどにいろいろ書かせていただきましたが―。
結局のところ、要は「いいだろう―!」と見せびらかしているようで、ひじょうに恐縮です(汗)。や、ご興味がございましたら、ぜひに。
Posted by やし太郎 at 2008年01月06日 22:59
やし太郎さま
今年もよろしくであります。

今や死語と化した「エアチェック」、うれしいですね。私は山下達郎の「サンデーソングブック」は欠かさず録りためておりますです。
同好の士を身近に発見したのは初めてなので、ぜひとも情報交換を続けたいところであります。
Posted by 紅灯 at 2008年01月07日 00:19
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