気の利いたタイトルを付けるのはもちろんだけど、単刀直入の味気ないタイトルだろうがなんだろうが、それがないと中身がわからない。要するに識別できない。必須である。
何を当たり前のことをいってるのかと言われそうだけど、そこで水俣病なのである。
自民党が水俣病特別措置法というのをまとめて来週国会に提出することをきょう決めた。
決めたのだけれど、きょうの段階になって公明党と熊本県が言い出したのだ。
「これ、水俣病の被害者を救済する法律だってどっかに書いておいたほうがいいんじゃない?」と。
そうなのだ。この法律が成立しても被害者たちは沢山切り捨てられそうな気配である。実際きょう、被害者の人たちは会見を開いて烈火の如く怒っていた。
それならこの法律なんなのかというと、これが成立するとチッソが分社化するのである。
分社化とは何かというと、水俣病を引き起こした黒チッソと、今液晶原料とかで大もうけしている白チッソに分けて、黒チッソが白チッソの株を持つ。黒チッソは白の株を売って売却益を補償に当て、消滅する。
残った白チッソは水俣病と何の関係もございませんということになって、どっかに買収されて優良企業となり、大手を振って歩けるわけである。
チッソ100年の悲願である。
この法律が成立したら、チッソは水俣病から解放されることが約束されるのだ。
なので公明党と熊本県はさすがに気が引けたのか、冒頭の発言になったと、こういうことだ。
悪い冗談かと思っていたら、本当に法律に前文を付けて「この法律の精神は被害者の救済です」みたいなことを書くらしい。
ちょっと前、与謝野さんは「日本経済の底が抜けないように頑張る」みたいなことを言っていたけれど、日本の政治の底はとっくに抜けてしまったらしい。
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