旨いワインはそりゃあるんだろうけど、とにかくイタリアンレストランとかビストロとかで飲まされるハウスワイン、グラスワインにはいつも辟易していたのであります。とにかくやたら酸っぱくて、直接ブドウの皮をなめているような渋味。こんなの飲みながら料理食べるくらいならビールで通した方がいいし、日本には日本酒という素晴らしい食中酒があるわけです。
てなことを思ってこれまでワインを避け続けてきました。
馬鹿でしたね、私。
飲まず嫌いというか、固定観念というか、いやあ知りもしないで偉そうなことをと反省しました。
「ドメーヌ・ド・ラス・プール コルトン・ブレッサンド グラン・クリュ2003」
ややこしい名前ですが(これもワイン嫌いの原因か)、昨日頂いたワインです。
これがもう、素晴らしい。
ワインの表現の仕方をろくすっぽ知らないのであんまり伝わらないかもしれませんが、最初の飲み口は、ブドウ畑の露が降りた蔓や葉っぱをイメージさせるような草や木の青い香り。でも青臭いというのとは全然違う。それが口の中で瞬時に果実味に変わって、こくんと喉に落ちると花束のような華やかな香りが鼻に立ち上ってくる。
口に含んだ感じも、飲ませてくれた人は「シルキー」と表現していましたが、まさになめらか。本当に比重が軽いような気がする。
酔い方も、お代わりを重ねてもぐいぐいくるような酔い方は全くせず、静かに何かが降り積もっていくように良い気持になってくる。
ワインって美味いものだったんですねえ。もっと早く知っていれば……。
いや、これからの私の財布のためには知らない方が良かったのか?
それにしてもいわゆるお店のハウスワイン、一番よく飲まれるはずのものなのだから、何とかするべきじゃないですか。
と強く思った一夜でした。
ああ、極楽の体験だったなあ(思い出すと頭がぽわーんとする)。
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