2008年12月18日

がんばれ「本の雑誌」

「本の雑誌」が経営危機らしい。「らしい」っていったって経営者も編集者もそう言っているんだから本当に深刻なんだろう。

「本の雑誌」といっても知らない人は知らないと思うけど、私にとっては他誌に代え難い雑誌である。
商売柄毎月数十冊の雑誌に目を通す中、毎月定期購読している唯一の雑誌だ。
元々は目黒考二、椎名誠、沢野ひとし、木村晋介が作ったミニコミで、創刊が76年。当時は20代の若者たちだった彼らも今では書評家、作家、画家、弁護士とそれぞれ名をなしている。
エンターテイメント系のオモシロ本のみを紹介するというスタイルは斬新で、大御所が書こうとつまらん本はつまらん、新人が書こうと面白いものは面白いとはっきり言うそのスタンスも本好きに共感を読んだ。
新刊書の書評誌なのに出版社の広告を入れないという硬派な一面も良かった。最近出版社の広告を解禁したから台所事情が苦しいのかなと思っていたけれど、どうものっぴきならないところまで追い込まれているらしい。編集長でもある椎名誠は今月号の連載で「これが最後になるかもしれないと思い書いた」と記している。
結局「はいつくばってでも」という思いで今号は出たものの、この先はかなり不透明だ。
社長の浜本茂は来号も「必ず出します」と宣言しているが、楽観はできそうにない。

こういう「何かが好きだから」という動機付けによる文化イベントが最近どんどん消えていっている気がする。最も盛んだったのは、本の雑誌が創刊された70年代からサブカルが絶頂を迎える80年代にかけてだった。
90年代に入ってこの国は急速にぎすぎすし始め、21世紀に入るとイベントの動機付けの多くは「カネが儲かるかどうか」に置き換わっていった。
「経済が破綻するかどうかの瀬戸際に何ぬるいこといっているんだ」といわれそうだが、それでかまわないと思う。
カネがなくたって、喰えなくたってこれがやりたい。
それが文化の動機付けだし、そもそも文化の成熟はカネでは買えない。

でも雑誌を買えば「本の雑誌」は助かる、かもしれない。
このブログをお読みのみなさん、当ブログに関心のある方ならきっと「本の雑誌」はストライクゾーンのはず。
「そんな雑誌知らなかった」という方は是非、書店で手に取ってみてください。お願いします。


ラベル:本の雑誌
posted by 紅灯 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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