2008年11月03日

血液型で見る振り込め詐欺と大統領選

三連休最終日、相変わらずぶつぶつと仕事しつつTVを横目で眺めていると、「アサデス」でちょっと面白い実験をやってました。
「アサデス」っていうのは、九州朝日放送が毎朝放送している若い主婦層がターゲットの情報番組で、九州限定。
血液型がどうこう言っていたので、「またか」とうんざりしてチャンネルを変えようとしたら、なんだか様子がちょっと違う。
最初に道行く人や番組出演者に「血液型性格判断を信じますか?」と問いかけ、そのうち「信じる」と答えた人に質問する。例えば、「O型」と答えた人には「これがO型の特徴!」と題してO型の特徴をいくつか記したボードを見せて「いくつ当たってますか?」と聞く。でも実はこれ、本当は他の(この場合はO型以外の)血液型の特徴とされる項目を集めたもの。
ところがボードを見た人は「あ、当たってる!」と口々に○を付けていく。
この結果、実に100パーセントの人がボードを見て「当たっている」と回答したという次第。
ここまでならなんとなく聞いたことがあるようなテストだけど、さらに番組では、実験に協力した人に「実は嘘でした」とネタばらしをしたあとで、もう一回最初の質問をしたんです。
「それでも血液型性格判断を信じますか?」と。

驚くなかれ、結局実験の前と後でほとんど差は出なかったんですな。「信じる」と答えた人の数はほとんど減らなかったんです。
血液型占いが当たっていないということを身をもって経験したのに(それもかなり恥ずかしい方法で)、それでも信じ続けるというこの心理、大げさに言えば人間の心の闇の一端です。
私の周囲にも「ねえねえ、血液型何?」などと訊いてくる人たちがいて、その度に「頭悪く見えるからやめた方がいいよ」と答え、それでもしつこく「血液型占いは正しい」という人には噛んで含めるように「論理的に」答えていたのですが、その人たちが血液型占いを話題にすることをやめた気配は一向にありません。
それはなぜなのか、よく分かった気がしました。

よく「人は自分の信じたいことしか信じない」と言いますが、必ずしもこれは正しくない。例えば科学者や哲学者は自分の認識を含めて対象を疑うところから研究の第一歩が始まるからです。
しかし「自分が信じたいことしか信じない」人がこの世界において多数を占めているのは間違いないでしょう。いつの世でもそういう人たちが多数を占めるから少数派が迫害を受けるわけです。そうでなければ差別や迫害など起きない。
その「信じること」はもう論理でも何でもない。特定の血液型だからその人の性格を決めつける人は、オバマの政策がどんなに良くても「黒人だから」投票しない人とその構造は何ら変わりがないわけです。

そういう「論理」で動かない人は、「論理」で誤謬を指摘されても動じません。「だから何?」ってやつですね。
まさにこの心理を実地に金儲けに応用したのが振り込め詐欺だと思います。
金融機関の窓口で、行員などから「それは振り込め詐欺ですよ!」と1時間以上も説得されたのに結局金を、それも数百万円という大金を振り込んでしまったという話を最近よく聞きます。
その度に「なんで?」「バカだなあ」という反応が起きますが、その被害者の中では正しいのは自分で、間違っているのは行員(=論理)であり、「自分が信じてしまったもの」に間違いはないんですから矛盾はないわけです。ひょっとしたら、詐欺だと分かった後も後悔していない人もいるかもしれません。「お金は損したけど、本当の息子に何もなくてよかった」とかね。そういう人に「それは違う」と説明して納得して貰う自信は私にはありません。

ようやくブッシュの時代が終わろうとしています。
「ブッシュ後の世界」に淡い希望を抱いている私は、果たしてバラク・オバマがこの「闇」に勝てるのか、少し心配です。



posted by 紅灯 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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